魚酔さんについて    
       
   私こと魚酔の若いころは磯釣りオンリーで、平戸・五島列島・甑島・宇治群島・草垣群島・
 男女群島と九州のほとんどの磯には出かけていきました。
  
 特にホームグラウンドのしていたのは宗像沖ノ島です。夕方ごろ船長から「今日船を出すよ!!」 という電話がかかってくると、仕事中でも気持ちは沖ノ島の磯に飛んでいました。ちなみにそのころの私の職業は、和食料理店経営で時間的なことも結構自由になりました。初めのころは船足が遅く、板屋船長の「幸丸」では6~7時間狭い船倉の中に入って通ったものです。その後、「第3ふじ丸」になると船足も速くなり、3時間くらいで着くようになりました。 

 当時(今から45年ほど前)はまだオキアミはなく、冷凍モエビが主流でした。それでも2キロ級の尾長クロが、直径5センチくらいの丸ウキをスポッと沈めていく豪快さはなんともいえないものです。その数年後にオキアミが出てきて磯釣りが大きく変化し、あらゆる魚がオキアミの餌で釣れるようになってきました。

 昔はどこの磯もよくつれていました。だんだん磯は荒れて、五島に行ってもボーズで帰ることも 度重なるようになってきた、そんな時知人の紹介で1艘の船を購入しました。30数年前のことです。この船は島根県の宍道湖の漁師さんが使っていたもので底がフラットで釣りをするスペースが広く、釣りには最適な船でした。

 今の場所に係留して、博多湾近辺の海の研究に取り掛かりました。といっても以前から船釣りの知識は全くなく、得意の磯釣りを船からやろうと、色々なポイントで試して見ました。

 そしてポイントや瀬の状態、季節ごとの魚の動きなど段々わかって来るにつれて、釣果もだんだん上がってくるようになりました。 

 30分でポイントに着き、4~5時間も釣れば、以前、平戸・五島に行っていたときよりもはるかに沢山の魚をもって帰れるこの船上の「磯釣り」の魅力に取り付かれています。
 
 今は、一人でも多くの釣りファンの方々に、時間とお金をかけなくても一日楽しい釣りが出来ることを知っていただきたくて「魚酔さんのページ」を開設したしだいです。
   
       
   船からの「磯釣り」とは    
       
   水深5~20m位の瀬の上で、船からアンカーを打ち、磯と同じようにまき餌をしながらウキを潮に流しながら釣る釣りです。

 竿は2号4,5mが標準で、2キロクラスの尾長の時期には3号の竿を使用します。

 ハリスは1.5号から3号くらいまでを使います。一昨年は3号のハリスをぶちぎって行ったやつがいて4号のハリスを使ったこともあります。(魚の画像を残していなくて残念です)
 
 ウキは玉ウキは見ずらいので使用しません。2号負荷位のよく見える長めの棒ウキを使用します

 対象魚 : クロ チヌ イサキ バリ ヒラマサ メバル 真鯛
   
       
   まず、離島に遠征するのに比べて、費用と時間がはるかに節約できることと、潮の流れや風向きによって直ぐにポイントが移動できることです。

 磯釣りにおいてはポイント選びを間違えると、一日が無駄になってしまいます。日祭日の釣場の一級ポイントはどこも一杯で、良いポイントに上がれる確率は非常に低いということです、
 しかも磯の場合はたいていの場合、「上げ」か「下げ」のどちらかのポイントなので、無駄に過ごしている時間が大半だということです。

 しかし、船からだと「上げ」「下げ」ごとにポイントが移動でき、つれる時間帯に照準を合せて釣行すればよく、効率よく釣果につながります。また、ポイントが混み合って釣りにならないということもありません。

 また。離島に遠征すると釣った魚の鮮度も落ち、おまけに疲れていて、食べる楽しみの半減してしまします。
 
 船からだと帰港するまで釣った魚を生かしておくことが出来、たいていの場合、自宅までほとんど時間がかからないので、体の疲れもなく、新鮮な魚で晩酌をするというもう一つの楽しみもあります。

 もちろん、離島の遠征には船に無い楽しみや喜びがあることも知っています。

 でも一度船からの磯釣りにチャレンジしてみませんか?きっと違った喜びや楽しみを見つけ出すことが出来ると思いますよ。
   
       
   「船酔い」について    
   船に乗るのがいやな最大の理由はなんと言っても「船酔い」でしょう。特に日本人には船酔いする人が欧米に比べて多いそうです。
   
   【乗り物酔いのメカニズム】
 船を含め『乗り物に酔う』とはどういう状態をいうのでしょう。家庭医学書によると、乗り物の動揺や振動に対する身体の不適合現象とあります。これを動揺病と云い眠気・倦怠感・めま い・顔面蒼白・冷や汗・生唾・吐き気・嘔吐といった症状がおきます。

 人間の身体がバランスを保てるのは、耳の奥にある三半規管の働き、というこ とはご存じのとおり。この三半規管のほかに前庭器という器官があり、相互作 用で身体の傾きなどを脳に伝えています。ところが、船や車など揺れる乗り物 に長時間乗っていると、乗り物の動揺や振動によって、三半規管や前庭器の耳 石器が刺激を受け続けることになり、自律神経や脊髄神経に悪影響を与えます これに目の運動刺激も加わって、乗り物酔いになるというわけです。

   
   じゃあどうすれば船酔いをしなくなるか。結論から言いますと船酔いはするということです。

 でも、いつも船酔いをしている漁師さんを見たことがありますか?じゃあ、漁師さんはもともと船酔いをしない人だけがなっているかというと、私たち一般の人たちとなんら変わらず、ただ違うのは”慣れた”というだけのことなんです。
 「慣れる」このことが一番の解決法のようです。

 私は今はほとんど船に酔うことはありませんが、子供のころから人一倍乗り物酔いがひどく、家族と一緒に車で食事にいくと、その道中の数十分間で車酔いをし、食事も出来ずにゲーゲーやっていました。

 当然、船に乗れば即船酔い。しかし釣りが好きな小生は目的地の磯を思い描いて、ただただ船の中で耐えていました。

 ところがある日、知人からの誘いでモーターボートでの釣りに連れて行ってもらうことになりました。あいにくの悪天候でベテランの二人は船酔いで釣りにならなかったのですが、そのとき不思議なことに私は船酔いをせずに、もっていったお弁当もおいしくいただくことが出来ました。

 そのとき「俺は酔わないんだ」と思い始め、それ以降ほとんど酔うことがなくなりました。

 私の周りにいる連中も、時々無理やり私から誘われて船で海に出ることがたびたびあると、最初は酔っていても今はほとんど酔わなくなり、結構釣りを楽しんでいます。

 わたくし思うに、船酔いも酒酔いも基本的には同じではないかと。
 若いころはじめてお酒お飲んだときのあのつらさ。「モー二度と酒はのまないぞ~」とそのときは思っても、付き合いやらなにやら、いつの間にか立派な愛飲家になっているじゃないですか。

 「慣れる」そして「自分は酔わないんだ」という自己暗示。これが一番の解決法のようです。

 一度酔わなくなると、後は楽しい釣り人生が待っています。

 天気が穏やかな日に、大釣りすればきっとりっぱな「船釣りバカ」が誕生しますよ!!